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「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」
これは、ある心理学で述べられている有名な言葉です。
確かに人の悩みは、家族や職場、友達などに多く見られるかと思います。小さな悩みごとでも、だんだんと大きくなり、トラブルに発展することは十分に考えられることでしょう。
では、実際にみなさんがどんな内容のトラブルで悩んでいるのか、2020年1月に「LINE弁護士相談」へ寄せられた相談を集計し、まとめてみました。
どのような相談が多く寄せられているのでしょうか。さっそく結果を確認し、多かった相談を少し深く考えてみましょう。

■もくじ

【1】2020年1月に多かった相談ランキング
【2】ネットトラブル ~最近増えている児童被害~
【3】不倫や養育費 ~離婚届を出す前におこなうべきこと~
【4】債権回収 ~貸す前にやっておくべき対策とは?~
≪監修弁護士の紹介≫
【5】まとめ


【1】2020年1月に多かった相談ランキング

ランキング
2020年1月にもっとも相談されたカテゴリは、「インターネットに関するトラブル(インターネット)」でした。最近は、さまざまなSNSやLINE等のチャットツールを日常的に利用する方が増え、それに伴ってトラブルも増加しているのではないかと考えられます。
実際に、2020年2月6日に警視庁より発表された2019年の犯罪情勢統計(暫定値)によると、全体的な犯罪件数は減少傾向にあるにもかかわらず、サイバー犯罪の検挙率は過去最多となりました。またネットトラブルに関しては、子どもが巻き込まれるケースも増えています。インターネットは便利であるという反面、取り扱いに気を付けないと個人情報が流出したり、詐欺の被害に遭ったりする可能性があるのです。

ほか、2位以下のランキング結果は下記のようになりました。

2位)養育費(離婚・男女問題)

3位)不倫(離婚・男女問題)

4位)回収方法(債権回収)

5位)離婚慰謝料(離婚・男女問題)

1位の「インターネットに関するトラブル(インターネット)」以外で多く寄せられた相談項目2位から5位を確認すると、離婚や男女問題に関するカテゴリに集中していますね。
江戸時代のことわざで、「思う仲には公事(※)さすな」というものがあります。仲の良い男女でも、もめごとを裁判に持ち込めば、仲直りすることは難しくなるという意味です。恋愛の本質はいつになっても変わらないものなのかもしれませんね。

では、今回ランキングに入った相談について少し詳しく確認していきましょう。
※公事…「くじ」と読み、江戸の言葉で裁判を指す言葉。


【2】ネットトラブル ~最近増えている児童被害~

ネットトラブル
2020年1月に「LINE弁護士相談」へ寄せられた相談ランキング1位は「インターネットに関するトラブル」。現在、インターネットは生活する上で必要不可欠な存在となっています。ただ、残念なことにインターネットを利用した犯罪が増えていることも事実です。さらに言えば、インターネットを介した犯罪に未成年者が巻き込まれる事件数も多くなっているのです。
警察庁が発表した統計によると、児童(18歳未満の子ども)が被害に遭ったSNSなどを利用したインターネットトラブルは、年々増加し続けています。中学生の性被害の件数は下降傾向にありますが、小学生や高校生の性被害は上昇傾向にあります。政府はSNS等を介しての児童の性被害の撲滅を目指し、「児童の性的搾取等に係る対策の基本計画」に沿って各関係省庁らと連携を取っていますが、被害児童数は増えている状況です。
例えば、2019年12月にSNSのダイレクトメールを利用して小学生が誘拐されたという事件が起きました。しかしながら、こちらの事件は氷山の一角でしかなく、実際、犯罪にまで至らなくても子どもたちが被害に遭うトラブルは多くあると考えられています。これらSNSやインターネット上での児童のトラブルの多くが児童買春や、児童ポルノなどの性被害。特に児童ポルノに関しては、被害児童の約4割が騙されたり脅されたりといった理由で、裸などの写真を自撮りしたものをメール等で送信させらされるという事例でした。
2020年2月6日に警視庁が発表した、2019年の犯罪情勢統計(暫定値)によると日本の児童虐待の通告数は過去最多を記録しました。家庭環境や学校での人間関係がうまくいかず、SNSを通じて寂しさや不安を紛らわしている子どもは多いのかもしれません。
LINE弁護士相談のQ&Aに寄せられているネットトラブルの相談には、SNSやLINE内での誹謗中傷についての比率が多い一方で、児童の性被害についての相談や、詐欺、脅迫などのトラブルも散見されます。
ネットトラブルは個人間での問題はもちろん、犯罪に絡む問題にもつながる可能性があります。大人、子ども限らずネットトラブルを回避するための対策が必要になってくるのではないでしょうか。


弁護士の見解

児童との性行為、またはそれに準ずる行為は金銭の授受や対償供与があった場合には児童買春罪、対償供与が無い場合でも淫行の罪に当たる可能性があります。また、13歳未満の児童については、たとえ本人の同意があったとしても、性行為等をした場合には、強制性交罪が適用される場合もあるのです。


【3】不倫や養育費 ~離婚届を出す前におこなうべきこと~

養育費

2位と3位、また5位には、離婚・男女問題の項目である、「養育費」「不倫」「離婚の慰謝料」がランクインしました。「養育費」については、1月の法律トレンド記事でも、取り上げさせていただきました。離婚を決意する理由は夫婦によってそれぞれですが、離婚届を出す前に取り決めしたほうが良い内容を紹介しましょう。

夫婦の話し合いによって離婚することを協議離婚といい、協議による離婚は全体の離婚件数の約9割を占めているのが実情です。ところが離婚理由によっては、慰謝料や養育費などの支払いが発生する際に、口約束だけでは取り決めを破られることがしばしば起こります。そのため、協議離婚する場合には「離婚協議書」を作成しておくと良いでしょう。協議書に離婚の際の条件をしっかり取り決めて記載しておけば、相手が離婚協議で取り決めたお金を支払ってくれない場合にも請求できる可能性が高くなります。
配偶者が原因で離婚を選んだケースでは、怒りや悲しみなどにより一時の強い感情に任せてすぐに離婚届を出してしまいたくなることもあるでしょう。しかし、離婚に向けての協議は、通常重要な取り決めをすることが多々あります。したがって、離婚をして夫婦関係がなくなってしまう前に親権や養育費、慰謝料、財産分与についてしっかりと話し合っておくことが大切なのです。


弁護士の見解

離婚協議書は、契約書としての効力があります。取り決めの内容としては、共有財産の分与や、子供の養育費など、原則として夫婦が合意したものを記載するかたちです。
口頭のみでの取り決めについても契約として成立しますが、一方が主張を変更した場合、証拠がないため、裁判などに発展した際に証明できない恐れがあります。ですので、離婚協議書を書面として作成しておくことが大切なのです。
また、養育費や慰謝料の分割払い等が不払いになったケースを考えて公正証書にしておくと、給料差し押さえなど強制執行も可能となります。そのため、養育費を支払ってもらう必要がある場合には、離婚協議書を強制力のある内容を含んだ公正証書にして残しておいた方が良いかもしれません。


【4】債権回収 ~貸す前にやっておくべき対策とは?~

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4位にランクインしたトラブルは債権回収の「回収方法」でした。「債権」とは、特定の人に一定の作為または不作為を要求する権利で、一例として貸したお金を返してもらう権利があげられます。「恋人にお金を貸したのに全然返してくれない」といった経験をした方も、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
また、債権回収には時効が存在します。家族や恋人、友達とのお金の貸し借りであれば返してもらえることを知った時から5年、返してもらえるようになってから10年で時効(※)が成立するのです。
とはいえ時効を迎えなくても、お金を貸した相手からの連絡が途絶え、泣き寝入りの結果になってしまうケースもあり得るでしょう。泣き寝入りや時効を迎えたことによってお金を回収できないといった事態を防ぐためにも、事前に借用書を作成しておくと良いかもしれません。借用書の作成を拒むようであれば、そもそも返済してくれない可能性が大きいです。
金銭トラブルは友達や家族と疎遠になってしまうケースが多くあるため、お金を貸す前にはあらかじめ対策しておくことが大切でしょう。
※消滅時効…2020年4月1日に民法が改正され、個人間の金銭取引は5年になります。
4月1日以前に結ばれた契約は10年、4月1日以降は5年です。


弁護士の見解

一般的に個人間での金銭の貸し借りは、借用書を作成せずにおこなわれる場合が多いでしょう。そのため、貸したお金が返済されないというトラブルに発展するケースが発生するのです。お金が返済されないといったトラブルを避けるために、借用書の作成は必要だと感じます。ただし、借用書自体は金銭の貸し借りの証明になりますが、強制執行の効力はありません。高額の金銭を貸し付け、そのお金を返済してもらいたいと考えた際には、借用書を公正証書の形式で、かつ、強制力のある内容を盛り込んだうえで作成したほうがいいでしょう。
なお、口頭での金銭の貸し借りの場合、銀行振り込みにすると、貸し付けをしたという記録が残ります。借用書が無くとも金銭の貸し借りがあったという証明になる場合があるので、直接手渡しするよりも、返済される可能性が上がるかもしれません。

【監修】弁護士法人天音総合法律事務所 首藤 裕二弁護士


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弁護士法人天音総合法律事務所

第一東京弁護士会
この記事は、首藤 裕二弁護士が法律監修を担当しました。

天音総合法律事務所は、「債務整理」「交通事故」をはじめとした様々な法律問題の解決に取り組んでいます。ご相談いただいた法律問題を解決することが最も重要ですが、それと共に、ご相談者様に安心・満足していただけるよう日々の業務に取り組んでいます。ご自身に起きてしまった法律問題について、とりあえず弁護士の意見を聞いてみたいといった方でもお気軽にご相談ください。
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【5】まとめ

法トラブルで悩んでいる人は意外に多く、抱えているトラブルもさまざまです。法トラブルの悩みは人に相談しづらいものですが、一人で抱え込まないことが大事。困った際は、取り返しがつかなくなる前に弁護士に相談を。的確なアドバイスのもと、解決の糸口を探ってみませんか。



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