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2020年の3月・4月は、激動の月となりました。3月上旬ごろから、日本国内でも新型コロナウイルスの感染が拡大し、3月24日にはオリンピック開催の延期が決定。また4月7日には、日本史上初となる緊急事態宣言が発令され、同月16日に対象地域が全都道府県になりました。これまでの状況が一変し、これからの生活がどうなるのか不安な方も多いのではないでしょうか。

LINE弁護士相談の投稿型Q&Aサービス「法律相談Q&A」にも、新型コロナウイルスに関連した相談が寄せられています。業績悪化による退職勧告や不当解雇、新卒入社の内定取り消しなど、先月に比べて雇用関連の問題で悩まれる方が数多く見受けられるようになりました。今回は、3月のランキングに加えて、新型コロナウイルスに関連するトラブルについても掘り下げていきたいと思います。

※ こちらの記事は2020年4月21日執筆時点での情報を元に作成しております。新型コロナウイルスに関する情報が公開時と異なる場合がございますので、ご了承ください。

■もくじ

【1】2020年3月の男女別相談ランキング
【2】新型コロナウイルスで離婚危機? ~在宅勤務がもたらす禍(わざわい)~
【3】新型コロナウイルスの影響 ~どんな犯罪が増える~
【4】ギルティ ~この会社は黒(ブラック)ですか?~
≪監修弁護士の紹介≫
【5】まとめ


【1】2020年3月の男女別相談ランキング

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3月にLINE弁護士相談へ寄せられた男女別の相談ランキングは、下記の通りとなりました。

【男性】
1位:犯罪・刑事問題
2位:離婚・男女問題
3位:労働問題
【女性】
1位:離婚・男女問題
2位:労働問題
3位:借金

男性部門の1位は「犯罪・刑事問題」でした。春になると活動時間が増えることと比例して、犯罪につながるトラブルが増えていくのかもしれません。一方、女性部門の1位は「離婚・男女問題」。こちらのトラブルは、男性ランキングでも2位となっています。男女総合のランキングでは1位という結果だったので、男女関係の悩みやトラブルは尽きないということを表しているようにもみえますね。

そして、新型コロナウイルスの拡大によって生活が変化し、さまざまなトラブル要因になる可能性もはらんでいます。女性の2位、男性の3位にランクインしたトラブルは、「労働問題」でした。2018年より政府が「働き方改革」の関連法案を順次施行し、労働環境の改善を行おうとしていますが、実際はまだまだトラブルの多い状況が続いています。

女性のランキングの3位は「借金」について。2020年3月、政府が景気の下方修正を発表しました。今後、新型コロナウイルスの影響もあって企業の業績が悪化し、収入の減少が顕著になり、借金が支払えなくなるなどの様々な問題が発生する可能性があります。では実際に、どのようなトラブルが発生して、どのように解決していけるのでしょうか。


【2】新型コロナウイルスで離婚危機? ~在宅勤務がもたらす禍(わざわい)~

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新型コロナウイルスの感染拡大の予防のため、3月の終わりごろから在宅勤務に切り替える企業が増えてきました。さらに4月7日に大都市部を中心に発令された緊急事態宣言の対象区域は、同月16日、全国に拡大し、ますます在宅で働く方が多くなりました。出勤時間が無くなったことで夫婦や家族で過ごす時間が増え、円満な家庭が促進されている方もいれば、現実はそう甘くないという状況の方もいるようです。そんな中、現在にわかに増え始めているのが「コロナ離婚」です。在宅勤務によって夫婦が一緒に過ごす時間が増えたことから、価値観の違いの表面化、また新型コロナウイルスによる緊急時の対応への違いが浮き彫りになるなどの理由、離婚が増えていると推測されます。

例えば9年前に発生した東日本大震災後には、災害後の対応の中で価値観の違いが大きくなり、離婚相談件数が増加した「震災離婚」と呼ばれる問題もありました。命に係わる非常事態に直面したとき、人は人間関係を見直す傾向にあります。したがって、「コロナ離婚」についてもそういった心理状況が反映されたのではないでしょうか。


弁護士の見解

夫婦の間で起きる価値観の違いや、すれ違いでの離婚は、通常の場合でもしばしば発生するものです。実際に、日本の離婚した夫婦の多くが、「性格の不一致」を理由として離婚しています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「性格の不一致」で離婚する方は多くなるかもしれません。お互いに離婚事由がない場合には、慰謝料などは特に発生しない可能性が高いです。とはいえ、外出自粛や在宅勤務でパートナーのストレスがたまり、暴力行為やモラルハラスメントに発展したケースでは、慰謝料が発生することもあります。


【3】新型コロナウイルスの影響 ~どんな犯罪が増える~

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今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「WHO(世界保健機関)」や「厚生労働省」などの名をかたったウイルスメールや、個人情報を抜き取るようなスミッシング(※)と呼ばれる手法の犯罪などサイバー犯罪が増えつつあります。

サイバー犯罪とは、パソコンやスマートフォンなど、ネットワーク上で起こる犯罪の総称を指します。例えばウイルスメールの場合、公的機関の名前で「アンケートのお願い」や「新型コロナウイルスの今後の対策について」といった内容で、メール内にあるURLをクリックするよう誘導してくることがあります。スミッシングは、携帯電話番号を使ったショートメッセージに「支援金を送金したいから、口座番号などの個人情報を教えてほしい」といった内容が送られてくるようです。

また、国民生活安定緊急措置法が改正(2020年3月11日公布、3月15日施行)され、マスクの転売が規制されました。しかし現状は、マスク・消毒液・体温計などが品薄で、流行以前の何倍もの価格で売買されているものもあります。国民生活安定緊急措置法では、転売をしたものに対して、ペナルティを科していますが、現状は悪化の一途をたどっているようです。

緊急事態宣言を受けて、仕事が急減したり無くなったりしてしまった場合は、急な環境の変化に見舞われる方も少なくありません。普段は引っかからない手法でも、現状の不安定な情勢であるとつい判断を誤ってしまい、詐欺まがいのメールのURLをクリックしたり、個人情報を教えてしまったりすることがあるかもしれません。加えてマスクや消毒液を買うために、値段をよく見ず購入した後で気づく方もいるかと思います。そういったことを回避するため、何か対処する方法があるのでしょうか。

※スミッシングとはSMS(ショートメッセージサービス)を悪用したフィッシングのことです。


弁護士の見解

サイバー犯罪は、他人のパソコン(もしくはスマートフォン)の不正操作・不正アクセス、ネットワークを利用した詐欺・脅迫などの犯罪と大きく3つに分けられることができます。今回例に挙がったウイルスメールは、「不正指令電磁的記録に関する罪」にあたる可能性があります。また、スミッシングや転売などで、金銭をだまし取った場合には「詐欺罪」、もしくは「電子計算機使用詐欺罪」にあたることもあるのです。加えて、スミッシングなどで取得した他人のIDやパスワードを不正目的で利用すると、「不正アクセス禁止法」の3条に抵触し、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

スミッシングやウイルスメールに騙されないためには、まずメールアドレスが本当に公的機関から送信されたものなのか確認することが大切です。特に「無償でお金をお渡しします」「面倒な手続きは一切なし」など、うたい文句がついていた場合には悪徳業者である可能性が高いため、慎重に対応しましょう。公的機関の貸付金は、収入が減額したとされる証明書の提出などの手続きを要する場合がほとんどですので、十分注意が必要です。「怪しい」と感じた時には、消費者センターや警察へ相談すると良いでしょう。


【4】ギルティ ~この会社は黒(ブラック)ですか?~

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新型コロナウイルスの感染拡大により、大都市部を中心に在宅勤務の割合が高くなりました。しかしながら、就いている業種によっては、リモートでの業務をすることが難しいものもあるでしょう。加えて、アルバイトや派遣社員には在宅勤務を許可しないという企業も少なくないようです。

SNSでも話題になっていますが、正社員は在宅勤務や時差出勤を認めているのにも関わらず、派遣社員やアルバイトは出社しないといけないという対応は少なくありません。「在宅勤務を想定していなかったので社内ネットワークに外からアクセスできない」「在宅勤務に必要な社用パソコンの数が無い」といった理由から、「手続きが面倒」と言われてしまったこともあるようです。また、雇用調整助成金の対象の方であっても、休ませてくれないといったトラブルも増加しつつあります。

昔から緊急時の対応で人となりが分かるといいますが、企業もその例に漏れません。今回の新型コロナウイルスの感染拡大によって、通常時はブラック企業でなかった企業がブラック対応をしている可能性があるのです。では、今回のような緊急時に理不尽な対応を取られた場合、どんな対処をすれば良いのでしょうか。


弁護士の見解

パートタイム・有期雇用者労働法(※1)の8条では、基本給や賞与、その他の待遇について、正社員と非正規雇用に不合理な格差があってはならないと定められています。したがって、今回の新型コロナウイルスの感染拡大における在宅勤務の差異は不合理だと考えられるので、会社の所在地の労働基準監督署に伝えれば改善される可能性があります。

また同じように、雇用調整の休業手当等の助成金も非正規雇用には適用させないという相談も多々見受けられます。雇用調整助成金の特例措置は、正社員・非正規雇用、雇用保険の可否を問わず、企業が申請すれば助成金を受け取ることができる制度です。2020年4月13日から各労働局やハローワークで支給申請が開始されています。加えて従来の助成金の制度よりも手続きが簡略化され、申請しやすくなっています。

新型コロナウイルスの支援制度は、短期間で対象要件が変わることがあり、場合によっては企業の担当者が現条件に追い付いていないケースもあるでしょう。そのため、まずは担当者に自身が適用条件であることを伝えてみても良いと思います。そこで取り合ってもらえない場合には、各地に設置されている総合労働相談コーナーを利用すると良いかもしれません。

※1 正式名称は短時間労働者及び有期雇用者の雇用管理の改善などに関する法律です。

【監修】弁護士法人えそら 馬場 龍行弁護士


馬場 龍行先生
弁護士法人えそら
第一東京弁護士会
この記事は、馬場 龍行弁護士が法律監修を担当しました。

弁護士法人えそらは、お客様が持つ理想の結果を実現するサポートをさせていただいております。
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しかし、ひとつひとつステップを踏んでいけば、実現できることもあります。
私たちは、ひとの想いを信じる法律事務所です。
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▼弁護士法人えそら
https://esola-law.or.jp/


【5】まとめ

“コロナ離婚”という新たなワードも生み出した男女間の問題をはじめ、雇用に関するトラブルや借金の悩みなど、新型コロナウイルスの影響によるさまざま相談が増加傾向にあります。

弁護士からの冷静なアドバイスは、きっとあなたの助けになることでしょう。LINE弁護士相談での無料を相談をきっかけに、解決への糸口を探してみてはいかがでしょうか?