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普段は我慢しているさまざまな場面の「あるある話」。すごく困っているけど、「あるある」だから仕方ないか…と流してしまっていませんか?

これから紹介する内容は、実際にあった身近なトラブルの体験談となります。
バイト中に出会った迷惑なお客様、職場でのセクハラ・パワハラなどのハラスメント、飲み会でのトラブルや、スキャンダラスな夜の蝶。「え?!こんなことで?」というくらい、「あるある」のなかには法律問題が隠れている可能性があるのです。
※実際の相談を元に、改変を加えております。



■もくじ

【1】急なドタキャン、訴訟になるかも?
【2】過ぎたる下ネタ、およばざるがごとし
【3】ワードオブバイオレンス ~叱咤激励にご用心~
【4】Yesキャバクラ、Noタッチ
【5】クレームバラエティパック
≪監修弁護士の紹介≫
【6】まとめ


【1】急なドタキャン、訴訟になるかも?

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Aさんの事例

とある学生街の一角で居酒屋を経営しているAと申します。
インターネット予約で40名、飲み放題込みで、おひとり様4,500円のコースを用意してお待ちしておりました。そこまで大きい店ではないので、ドアに「貸し切り」の張り紙をして予約されたお客様を待っていたのですが…。
ご予約された18時になってもお客様は誰一人として来店されませんでした。何かあったのだろうか、と不安になり、予約時に記入いただいた電話番号に連絡してみましたが、全く繋がらず…。頭を抱えていたところ、19時過ぎにようやく折り返しの電話が鳴り、その電話口はガヤガヤと騒がしく、「本日の予約は取り消しで」ということを伝えられました。取り消しといっても、予約分の食材はすでに購入し、準備もすましておりますし、そもそも、予約当日のキャンセルは100%の料金をいただくことを事前にお伝えしています。そのように伝えたところ、お客様は鼻で笑って切ってしまわれたのです。
どうすればよかったのでしょうか。貸し切りにした時間分や食材代、こういったものを取り返すことはできますか。悔しい気持ちでいっぱいです。


違法行為

店側の承諾なしにキャンセルすると、債務不履行で損害賠償請求をされるケースが在ります。飲食店のキャンセルは日常で良く起こっていることかと思いますが、インターネットや電話で店を予約し、店側が予約を承諾した時点で「店側と予約した人」とで契約が結ばれます。


弁護士見解

今回、店舗側は予約をキャンセルした際に、100%サービス料金を貰うことを事前に予約した客へ伝えています。当日のキャンセルであれば、逸失利益(本来得るはずだった利益)を含めて、全額の請求をされても仕方がありません。


【2】過ぎたる下ネタ、およばざるがごとし

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Kさんの事例

某広告会社で働いているKと申します。
同じオフィスで働いているT課長のセクハラに困っているのです。
「おっぱい大好き」を公言してはばからない、課長のパソコンのデスクトップ画像は、某人気セクシー女優…。
そこで黙っていてくれれば私もまだ我慢できたのですが、加えて夜自慢をしてきます。「俺はどの女も満足させてきた」だの、「魅力的な女を見たら手を出さない方が失礼」だのと、バカバカしい武勇伝ばかり話してくるのです。
さらに社内メールでも、「今夜どう?」「ホテルへ行こう」と、業務に関係ない内容をたびたび送ってきます。仕方なく苦笑いすると、ますます気をよくして話してくる始末です。いい加減うんざりして、会社に行きたくないのですがどうすればいいでしょうか。


違法行為

過剰な下ネタはセクシャルハラスメントにあたり、損害賠償請求をされることがあります。セクシャルハラスメントは身体的な接触だけでなく、言葉によるものでも認定されるケースが在ります。


弁護士見解

明らかにセクハラに該当します。これまでは、根拠法として男女雇用機会均等法がありましたが、今後は、2020年に施行される「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が根拠法になります。加害者はもちろんですが、事業者に対しても防止義務はさらに厳しくなります。


【3】ワードオブバイオレンス ~叱咤激励にご用心~

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Sさんの事例

メーカー企業に勤めているS、33歳です。去年の6月から今の会社に転職し、営業として新たなキャリアをスタートしました。僕はこれまで、アパレル業界での接客の経験があったので、その経験を営業で活かしていきたく、新たな業界にチャレンジしたんです。
しかし、直属の上司であるRさんは、僕を「チャラついている」となじってきます。「顔も頭も取り柄がないのだから、足を運んで経験をしろ」と言ってくるのです。
はじめは、経験のない僕にハッパをかけてくれているのだろうと頑張りましたが、僕が契約を取ってきても、「次だ、次」といって1人では処理しきれない仕事を押し付けてきます。また、僕のことを「馬鹿で能無し」と、同じ部署の人に言って笑い者にされている始末です。最近ではRさんの前に行くとおなかが痛くなり、手が震えます。僕が「限界です」といっても、上司のRさんからは「まだ頑張れる」と取り合ってくれません。僕はこのままの状態をずっと我慢し続けないといけないのでしょうか。


違法行為

個人の能力で処理しきれない仕事を振ったり、周囲に悪評を広めたりすることで対象の人に精神的苦痛を与えることは、パワーハラスメントに当たることがあります。殴ったり、小突いたりするなどの直接的な暴力行為は勿論のこと、人格を否定するような暴言もまたパワーハラスメントに当たるケースがあるのです。


弁護士見解

明らかにパワハラに該当します。パワハラについても、労働施策総合推進法が改正され、事業者がパワハラを回避する措置をとることが義務付けられます。2020年4月からは大企業に、中小企業はやや遅れての義務化になります。これにより、事業者の責任が明確になるので、パワハラを行った社員は会社からも責任を問われるでしょう。


【4】Yesキャバクラ、Noタッチ

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Pさんの事例

繁華街でキャバクラ嬢をしております、Pといいます。私が働いているお店は、高級感というよりも気軽に遊べる店ということがコンセプトで、それをどのように勘違いしたか、悪質なお客様がいて困っているので相談しました。
キャバクラは、基本的に「おさわりOK」なお店ではありません。だけど、指名すれば何をしても良いと勘違いする1人のお客様のせいでイライラしています。まだ手をつなぐなどの接触なら我慢できるのですが…。頬にキスをしてきたり、ドレス越しにお尻に触れてきたり、スティック棒とかいって自分の股間を握らせようとしてきます。初めこそ笑って交わしていたのですが、最近は態度が横柄になり、強要してくるようになりました。
その客の言い分としては、「どうせ枕営業やっているんだろ、純情ぶるなよ」と、明らかに侮蔑してくるのです。店側も対応に苦慮しているようですが、今まで何かしてくれたことがありません。このまま泣き寝入りなんて、死んでもごめんです。キャバクラ嬢だからといって、このようなことが許されるのでしょうか。


違法行為

その場の状況などにもよりますが、過度な身体的接触はセクシャルハラスメントや強制わいせつ罪に発展するケースがあります。就いている職業・性別関係なく、身体的接触に関して相手の同意がないときには、セクシャルハラスメントやわいせつ罪が適用される場合があります。


弁護士見解

明らかにセクハラに該当します。そして、強制わいせつにも該当します。事業者が放置すれば、事業者にも責任が及ぶことになります。


【5】クレームバラエティパック

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Dさんの事例

ラーメン屋を2年前から経営しているDと申します。初めは運営に不安がありましたが、多くのお客様に常連になっていただき、安定的な経営ができるようになってきました。
しかし、ちょっと困ったことがありまして、ことあるごとにクレームをつけてくる、常連のお客様がいらっしゃるのです。「できたてのラーメンが熱すぎて火傷したから、30万円の治療代を払え」や、「カウンターがぬれていたせいでスーツが汚れたから、100万円払え」と言って来るのです。
対策として、「熱いのでお気を付けください」といって提供したり、テーブルを拭く時は、水拭きの後、カラ拭きをしたりするように対応を変えました。それでも、「味がまずい」「食えたものじゃない」「俺はこの店を愛しているから、あえて厳しくしている」と次々難癖をつけてきます。
さすがに対応できなくなってしまったので、入店禁止をお伝えしました。しかし、そのお客様は頻繁にやってきて、入店をお断りすると激しくののしられてしまいました。どうすれば良いのでしょうか。もうわかりません。


違法行為

客からの過度なクレームや過剰な暴言は、カスタマーハラスメントや、威力業務妨害罪などに該当する可能性があります。


弁護士見解

クレーマーに対しては、お店で大声を出すなどすれば、威力業務妨害罪になります。また、難癖をつけてお金を無心するなら詐欺未遂、「出て行ってください」と言って出ないなら不退去罪に当たります。お店の悪口を言いふらすなら偽計業務妨害罪、または名誉棄損罪に問うことが可能でしょう。入店禁止は正当な方法だと思います。事件化する恐れもあるので、事前に警察にも説明をしておくことが望まれます。

【監修】優和綜合法律事務所 内藤 政信弁護士


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優和綜合法律事務所
第一東京弁護士会
この記事は、内藤 政信弁護士が法律監修を担当しました。

■30年以上の豊富な経験を有する弁護士が開業した法律事務所です。
■豊富な経験に基づく適切な事件解決及び親身な対応で、ご好評を頂いております。
■初回相談料は無料です。お気軽にご相談ください。

目に見える形で、直接困っている人の役に立てる職業であるというところに魅力を感じ、弁護士になりました。趣味はアコーディオンです。希望があれば相談時にも弾きますので、興味がある方はお申し出ください。

▼相談サポートサイト
https://www.soudan-form.com/houritsu-support.net/tokyo/903189/


【6】まとめ

大した問題ではないだろうから…、と泣き寝入りしていることはありませんか?小さなことでも我慢する必要はありません。きっとどうすることもできないだろうと自己判断せずに、まずは気軽に弁護士に相談してみましょう。大きなダメージや損失となる前に対処することが何より大事なのです。