画像 (5)

上記のツイートは、2.1万人以上の方に「いいね」され、1万近くのリツイートがありました。
またこちらのツイートにコメントを寄せる女性もたくさんおり、多くの方に共感されました。
日本は安全大国と言われ、犯罪の数が少なく性被害の数も、諸外国に比べて少ないと言われています。
しかし、公表されている性暴力の被害数は警察に被害届が出された数であり、実際にはもっと多いと考えられることができます。
性暴力に遭った女性の中には、被害に遭ったトラウマや、周囲の目が気になってしまい、実際に被害に遭ったことについては口を閉ざしてしまう方もいることでしょう。
今回は、“声を出せない女性の性被害”について専門家の意見もまじえながらお伝え出来ればと思います。

■もくじ

【1】女性が受ける性被害の実態
【2】電車内で痴漢≪肉体的・精神的な苦痛≫
【3】デートレイプ&ドラッグ≪飲み会やデート中の恐怖≫
【4】セカンドレイプ≪手の届かない闇≫
≪監修弁護士の紹介≫
【5】まとめ


【1】女性が受ける性被害の実態

shutterstock_1383325904

電車内の痴漢、道ばたで露出狂との遭遇、のぞきによる盗撮など、女性が受ける性被害のシチュエーションはさまざまです。
また仕事場や学校内でも、卑わいな言葉を投げかけられたり、実際に触られたりと、不快な思いをしている方もいるのではないでしょうか。
男性側は軽い気持ちでおこなった行為でも、受けた女性の心に は深い傷を負うことになります。
「ちょっと触られたくらいで怖がりすぎ」「胸や足を出しているんだから触られても仕方がないんじゃないの」「自意識過剰だから男の肩身が狭くなる」など、被害を軽くみられてしまうこともあるでしょう。さらに男性だけでなく、同じ女性のなかでも「性被害に遭った女性側にも責任がある」と考える方も少なからず存在するようです。
“性被害に遭った方にも責任がある”という風潮の中では、女性が口をつぐんでしまうことも仕方がないのかもしれません。しかし、被害に遭った女性が生きにくい環境は望ましいとは言えないでしょう。 では日常で起こりえる性被害のケースを確認しながら、嫌な思いをしないために、どのような対処方法があるのか考えていきましょう。


【2】電車内で痴漢≪肉体的・精神的な苦痛

shutterstock_108061607


・内容

【痴漢行為】 とは性的に不快な言動や、卑わいな行為をすることを指します。
もう少し具体的に言うと、衣服越し、もしくは直接肌に触れ下半身や胸を執拗に撫でまわしたり、スカート内を盗撮しようとしたりすることなどです。
警視庁が2018年12月に発表したデータ によると、痴漢が発生する場所の約5割が電車内、約2割が駅構内という結果が出ました。
通勤中や、通学中に満員電車で痴漢の被害に遭ったという方も少なくないのではないでしょうか。
痴漢行為は、各都道府県で制定されている「迷惑防止条例違反」に当たり、悪質な場合には「強制わいせつ罪」にあたる可能性がある犯罪なのです。
とはいえ、「痴漢にはきぜんとした態度でのぞむ」と考えている方でも、 実際に被害に遭うと恐怖や周りの目が気になって声が出せない状態になることもあるでしょう。
現状は自分自身で声を上げるか周囲の人が気づかなければ、そのまま我慢してしまうケースが多いかと思います。
痴漢被害に遭った場合はどのような対処法が適切なのでしょうか。


・事例

電車内で尻を触られた。声をあげようとしたら、カッターをちらつかされスカートを切られた。


・弁護士の見解

【痴漢行為】は、「迷惑防止条例違反」や「強制わいせつ罪」のほか、ケースによって他の罪にも問われることがあります。
例えば、電車内で陰部を露出したときには「公然わいせつ罪」に問われたり、駅構内のトイレなどでのぞきをおこなった際には「軽犯罪法違反」に問われたりする可能性があるのです。
今回の事例の場合、臀部を触れられたということですので、「迷惑防止違反」、もしくは「強制わいせつ罪」に問われるかと思います。
加えて、スカートを切られたとのことですので、「器物損壊罪」に当たると考えられます。
【痴漢行為】についての対処は「声を出す」「駅員に通報する」といったほかに、痴漢行為があったという事実を写真、もしくは動画で撮影することも有効になるでしょう。
なお、とある鉄道会社ではスマホのアプリを利用して、痴漢を通報するといったシステムを開発しました。
こちらのシステムは2020年2月下旬に実証実験を開始している状況です。
近い将来、声をあげずとも痴漢を通報できる世の中になるかもしれません。


【3】デートレイプ&ドラッグ≪飲み会やデート中の恐怖≫

shutterstock_30929878


・内容

【デートレイプ】という言葉をご存じでしょうか。
デートレイプとは、友人や知人、また恋人同士や夫婦関係にある人にレイプされてしまうことを指します。
レイプ被害と聞くと見知らぬ男性からレイプされるというイメージが先行しがちですが、実際に被害に遭った女性の約7割近くが知人や友人などの顔見知りの犯行の割合が多いのです。
また勘違いされがちですが、たとえ恋人や夫婦の関係であっても、同意のない性行為はレイプだとみなされます。
好きな人に無理強いをされ抵抗できなかったことや、恋人などのパートナーから性行為中に暴力行為を受けた経験がある方も少なからずいるでしょう。
また、「デートレイプ」と似たような言葉に「デートレイプドラッグ」というものがあります。
これは、飲み会の場や、デートで食事をしている際に、女性の飲み物の中に睡眠薬などをいれ、意識や判断力を奪ったうえで性行為をおこなう卑劣な犯罪行為です。
到底許されることではありませんが、実際大学生や会社員が起こした事件の例もあります。
レイプをされてしまった場合、肉体的苦痛は勿論ですが、今後の人生に悪影響を及ぼすほどのトラウマになることも十分ありえることなのです。
泣き寝入りしないために、何か、対処できる方法はないのでしょうか。


・事例

会社員2人が、同じ会社に勤める女性に対して睡眠薬入りのアルコール飲料を飲ませて、泥酔させた。
そのうえで女性をラブホテルに連れ込み、交代で性暴行をおこなった。


・弁護士の見解

無理やり性行為をすることはどんな関係性であっても、「強制性交罪」や「準強制性交罪」に当たる可能性があります。
今回の事例ですと、加害者である会社員2人は、被害者の女性に対して意図的に薬物を飲ませ、泥酔させています。
意識を奪わせているので「準強制性交罪」に当たるのではないかと推測されます。
レイプに遭った際、はじめにする対処として72時間以内に病院へ行くことをおすすめします。
レイプは避妊をしない場合が多いので、望まぬ妊娠やHIVに感染してしまう可能性があります。
そのうえで、被害届を出すかどうかや精神的なケアを受けることをおすすめします。
性犯罪は2017年に刑法が改正され、親告罪から非親告罪(※)となりましたが、性被害を受ける方にとって万全な状態とは言えないかもしれません。
※親告罪から非親告罪への改正:被害者や被害者の法定代理人からの告訴がなければ、検察官が起訴できない罪でしたが、告訴を必要とせずに公訴できる罪に変更となりました。この改正により、被害届を出さなくても罪を問えるように改善されました。


【4】セカンドレイプ≪手の届かない闇≫

shutterstock_1036969735


・内容

【セカンドレイプ】とは、性被害に遭った被害者がその後の周囲の反応や発言によって、心理的、社会的ダメージを受けることです。
例えば、性被害に遭った方が警察へ行き、相談しに行ったとしましょう。
その際、被害を訴えるためには、取り調べを受けることとなります。しかし、取り調べは被害に遭った状況を詳細に話さなければならないので、意図しなくとも、女性を更に傷つけてしまうこともあるのです。
また、友人に性被害を相談した結果、性被害を受けたということが周囲に知られてしまい、偏見をもって見られたり、いわれのない誹謗中傷を受けたりすることもまた、セカンドレイプといえるでしょう。
このようにセカンドレイプとは実際に性暴力をした加害者がおこなうことではなく、第三者が新たな加害者になるのです。
性被害に遭った女性は、加害者がおこなった行為のせいで、通常よりも精神が消耗している状態だと言えるでしょう。
加えて、周囲が理解してくれず、セカンドレイプに悩まされることとなれば、性被害自体を隠したくなるに違いありません。
セカンドレイプに対して何か、対処できる方法はあるのでしょうか。


・事例

性被害にあった女性社員が被害に遭ったことを上司に相談したところ、会社内に広められた。その後、当該上司や、他の社員に誹謗中傷された。


・弁護士の見解

セカンドレイプと性被害は切っても切れない関係でないかと考えられます。
女性が勇気を持って、性被害を訴えたとしても周囲が、まるで女性にも責任があるかのように誹謗中傷することは、起こりえる事態でしょう。
セカンドレイプを防止する刑法は、『名誉棄損罪』や『侮辱罪』が相当すると考えられます。 また民事裁判では、女性社員が上司に対して、『名誉を棄損された』として訴訟を起こせば、損害賠償請求できる可能性あります。
よって今回の事例の場合、被害を受けた女性が被害届を出し起訴されれば、『名誉棄損罪』の時には、3年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金、『侮辱罪』のケースでは、1日以上30日未満の拘留、または1000円以上1万円未満の科料が科せられる可能性があるでしょう。
しかしながら実際、『名誉棄損罪』や『侮辱罪』のみの罪で、逮捕や起訴をされるケースはあまりありません。
今後は、性被害を不安なく訴えられる社会になるよう、法整備をすることが大切になっていくでしょう。


【監修】アリス法律事務所 田畑 麗菜弁護士


田畑 麗菜弁護士
アリス法律事務所
埼玉弁護士会所属
この記事は、田畑 麗菜弁護士が法律監修を担当しました。

もしも困っていることがありましたら、こんな小さなことで相談していいのかな、なんて思わずにまずはお気軽に話をしましょう。相談後、少しでも気持ちが軽くなったと言ってもらえるように、ひとりひとりに寄り添い、親身になってサポートさせていただきます。今が辛いと感じている方が、新たな一歩を踏み出すお手伝いが出来たらと思っております。

▼相談サポートサイト
https://www.soudan-form.com/detail/saitama/907399/


【5】まとめ

性被害にはリスクとトラブルがつきものです。何かあってからでは取り返しがつかないことも…。対処に困った際は、弁護士に相談してみてください。弁護士の冷静な判断はきっと助けになるでしょう。