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「結婚は歩け、離婚は走れ」
これはユダヤ教の言葉です。結婚するときは、お互いのことを知る必要があるため、ゆっくり事を進め、離婚の場合は結婚以上にエネルギーを使うため、気力が持つうちに成立させるという意味です。
ただ、恋愛は時に人を盲目にさせることがあります。
その場合、夫婦になって、もしくは冷静になって初めて相手の悪い部分に気付くこともあるでしょう。 また、パートナーが問題ある部分を上手に隠していて、後で発覚することなんてことも…
今回は、離婚や婚約破棄をした3人の女性の体験談と慰謝料の相場、高額慰謝料を勝ち取れた理由などをお送りさせていただきたいと思います。


■もくじ

【1】≪体験談1≫婚約破棄のケースで慰謝料300万円
【2】≪体験談2≫DVのケースで慰謝料300万円
【3】≪体験談3≫不倫のケースで慰謝料500万円
【4】慰謝料を高額にするためのポイント
≪監修弁護士の紹介≫
【5】まとめ


【1】≪体験談1≫婚約破棄のケースで慰謝料300万円

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体験者:女性(仮名:メイ) 年齢:26歳 職業:事務員 年収:300万円
交際期間:7年 子供の有無:妊娠中
婚約者:男性 年齢:26歳 職業:メーカー営業職 年収:600万円


体験内容

大学の入学当時から付き合っている彼氏と婚約をしました。両家の顔合わせも結納も済ませており、入籍こそしておりませんでしたが、大学卒業後から同棲もしていました。
結婚式場も都内の有名ホテルを予約して、招待状も送りました。
招待客は、50名ほどの招待客で、式の費用は総額400万円とかなりかかりましたが、一生に一度の晴れ舞台だと割り切って準備を進めていた矢先、婚約者の浮気が発覚しました。
彼からは、「本当に済まない。だけど浮気相手と結婚したいので、婚約を解消してほしい」と、頭を下げられました。
けれど式場の予約はもちろん、婚約指輪もすでに購入していたことや、大学卒業後からすでに結婚を意識していたので、特に避妊せず、妊娠していて3か月の状態でした。
彼が浮気を自白した証拠として、謝罪している様子をスマホの動画で撮影したものや、彼と浮気相手とのLINEとやり取りも、すべて撮影し、保管してあります。
しかし、肝心の彼は「婚約破棄したい」の一点張りで、修復が難しい状態でした。
そこで弁護士に婚約破棄にいたるまでの経緯や持っている証拠など伝えて、相談しました。すると、有効な証拠がそろっており、慰謝料を取れる確率が高いようだったので、弁護士を立てて対応してもらったところ、慰謝料300万円を取れました。
また、妊娠している子どもの胎児認知をおこない、月々養育費の5万円も支払いの取り決めもしました。


弁護士見解

事実上結婚に向けて話し合いや準備を進めている場合は婚約状態と判断されるため慰謝料請求ができる可能性があります。
ただし、裁判となった際に婚約状態にあったことを認めてもらうためにも、客観的な証拠が必要です。
婚約破棄の慰謝料相場は100万円程度ですが、実際は数10万円から300万円程度と幅があります。 今回のメイさんのケースでは結婚式場の予約、両家の顔合わせ、結納なども行っておりましたので、比較的な高額な300万円を勝ち取れたのではないのでしょうか。
併せてメイさんが妊娠しているにも関わらず、婚約者である男性が一方的に別の女性と交際を始めたことが婚約破棄の原因であるということが、精神的・肉体的な負担を鑑みて高額になった要因の一つとして考えられます。
さらにメイさんの場合、交際期間及び同棲期間が長いため結婚に対する期待が大きく精神的な苦痛が大きいことも考慮されたのだと思います。
両親等に婚約の報告や結婚式場を予約していたなど実際に準備が進んでいた場合は、慰謝料が増額される理由になり得ます。
これは準備が進むほど結婚が現実味を帯びるため、期待が高くなった状態からの婚約破棄は精神的な苦痛が特に大きいとみなされるためです。


【2】≪体験談2≫DVのケースで慰謝料300万円

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体験者:女性(仮名:ユキ) 年齢:29歳 職業:IT企業の事務 年収:300万円
婚姻期間:5年 子供の有無:1人(男 3歳)共同財産:250万円程度
夫:年齢:33歳 職業:会社員 年収:600万円


体験内容

結婚して5年経ち、夫の暴力や暴言がひどく困っています。
彼には二面性があり、外では優しく穏やかな人で通っているので、友達に愚痴を言っても、私がわがままを言っているとみなされて本気にされませんでした。
夫は顔などの服から露出する部分は殴らずに、服で隠れるお腹や背中、頭を殴ってきました。
妊娠した時には「なぜ妊娠したのか」と、下腹部を殴られかけたこともあります。
また、「役立たず」「必要ない人間」「お前のような不用品を引き取っただけでもありがたいと思え」と私のことをけなし、私の行動を逐一把握したいのか制限までかけてきて、結婚してから自分の実家にも帰れていない状態でした。
子供に対しては暴力や暴言を言いませんが、今後もないとは言い切れないため離婚を考えるようになりました。
そこで弁護士に相談し、夫の暴言や暴力を記した日付の入った日記や、暴言と暴力の音が入っている音声を録音したことを伝えました。
診断書は取っていませんが、自分で見える部分の怪我やあざは画像にして保存してあることや、心療内科に通い過度のストレスによるうつ病と診断されたことも言いました。
慰謝料が取れる可能性があるということでしたので、依頼をしたところ300万円の慰謝料と財産分与で180万円をもらうことが出来ました。
また親権は私が持ち、月々養育費を6万円貰う取り決めもおこないました。


弁護士見解

慰謝料は精神的損害に対する費用なので、慰謝料の支払いを相手に認めさせるには、その要素が客観的なものでなくてはなりません。
モラハラの場合、証拠の確保がなかなか難しいため、暴言の録音することが最も有効です。
夫婦間の会話の録音であれば、秘密に録音したデータであっても、証拠として認められています。また、日付が入った日記帳やメモなども良いでしょう。
今回のユキさんのケースでは、日付の入った日記、暴言や暴力の音などの音声を持っていたことが有効な証拠として認められたのではないでしょうか。
DVやモラルハラスメントの慰謝料の相場は30~200万円と言われております。
今回、ユキさんの行動の制限や強要などのモラルハラスメント、さらに、長期間で日常的にDVが行われていたものであると考えられ、更にDVによりうつ病が発症したと推測されるので通常より高額な慰謝料を勝ち取れたのではないでしょうか。
証拠次第では、高額な慰謝料を勝ち取れるケースもあるのです。


【3】≪体験談3≫不倫のケースで慰謝料500万円

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相談者:女性(仮名:アイナ) 年齢:42歳 職業:主婦
婚姻期間:18年 子供の有無:1人(仮名:サカキ、11才、男子)
共同財産:900万円ほど 離婚理由:夫の不倫
夫:年齢:43歳 職業:公務員 年収:700万円位
不倫相手:女性(仮名:カナ) 年齢:42歳 職業:企画系 年収:不明


体験内容

夫が、大学時代の後輩と不倫をしていることがわかりました。不倫の期間は、およそ12年前からと長期間。ちょうど息子を妊娠していたときから関係を続けているようでした。
きっかけは、たまたま夫のLINEのメッセージを見てしまったことからです。
その後、彼にバレないように証拠を集めました。夫のスマホに保存されていた不貞行為中の写真、LINEのメッセージや以前夫が利用していたガラケーにも性行為を想像させるやり取りや私への悪口がたくさん書かれていました。
そこで、集めた証拠とともに弁護士へ依頼したところ、不貞相手から200万円、夫からは300万円の慰謝料を勝ち取ることが出来ました。更に、共同財産の800万円を財産分与も獲得できました。
息子のサカキから「離婚後は私と暮らしたい」と言ってくれたので親権を得ることが出来、月々10万円の養育費の取り決めもしました。


弁護士見解

今回のアイナさんの場合、アイナさんの夫とその不倫相手の不貞期間は12年間以上で不貞行為の回数は数え切れません。
不貞相手は、自分の交際相手が既婚者であること、相談者が妊娠中で夫婦関係が破綻していないことは承知していたはずです。
通常、不貞行為で離婚する場合の慰謝料は200万円から300万円と言われていますが、アイナさんのケースでは婚姻期間も不貞期間も長く、夫にも経済力があることから、高額な慰謝料を獲得できたのではないでしょうか。また今回のように請求に足りる証拠がそろっているケースですと、両者ともに減額の材料をもとに反論をしてくる可能性は低いと考えられます。


【4】慰謝料を高額にするためのポイント

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今回の3つの離婚や男女関係にまつわるお話はいかがでしたでしょうか。それぞれが、相場以上の慰謝料を獲得できた理由としては、みなさん有効になり得る証拠を持っていたことが挙げられるのではないでしょうか。
婚約破棄の場合は、「婚約している状態」を証明できる客観的証拠があるかどうかや、婚約破棄から結婚式までの日数なども考慮されます。
具体例を挙げると婚約破棄のケースで紹介しましたが、「結納」「親族顔合わせ」などです。
また、DVのケースのようなモラルハラスメントやDVなどにも客観的な証拠が必要になります。主に日付入りの日記やメモ、暴言の音声が入っている動画や録音、DVを受けたときの診断書などが有効な証拠になる可能性があります。
不倫のケースに関しては、不貞行為自体の動画や写真、またラブホテルを出入りしているような動画や写真が有効な証拠になりえます。
そのほかにも、LINEなどチャットツールを使った性行為をおこなったと推測される会話も証拠になる可能性があるでしょう。
もっと知りたいと思った方は、こちらの記事(【現役弁護士が教えます】配偶者の不倫発覚…!LINEが確実な証拠になる〇つの方法)に詳しい証拠の説明があるので、ぜひ参考にしてみてください。

【監修】弁護士法人天音総合法律事務所 正木 絢生弁護士


正木 絢生先生

弁護士法人天音総合法律事務所
第一東京弁護士会所属
この記事は、正木 絢生弁護士が法律監修を担当しました。

天音総合法律事務所は、「債務整理」「交通事故」をはじめとした、様々な法律問題の解決に取り組んでいます。
ご相談いただいた法律問題を解決することが最も重要ですが、それと共に、ご相談者様に安心・満足していただけるよう日々の業務に取り組んでいます。
ご自身に起きてしまった法律問題について、とりあえず弁護士の意見を聞いてみたいといった方でもお気軽にご相談ください。

▼相談サポートサイト
https://www.soudan-form.com/houritsu-support.net/tokyo/907943/


【5】まとめ

離婚の対処に困った際は、一人で悩まずまずは弁護士に相談してみてください。弁護士の冷静な判断はきっと助けになるでしょう。