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毎月LINE弁護士相談へ寄せられるご相談から、どんなことにお悩みの方が多いのか、またその相談に対しての対処法をお伝えしている【月間】法律相談トレンド。今回は通常のランキングに加え、新型コロナウイルスに関わるトラブルや対処法についても触れていきたいと思います。特に最近、テレビやインターネット、SNSなどでよく耳にする「特措法」。2020年3月13日に新型インフルエンザ等特別措置法の改正が国会で成立しました。「改正法が私たちの生活にどうかかわってくるの?」そんな疑問に対し解説を加え、お話をさせていただきたいと思います。
※2020年3月18日時点の情報を元に作成した記事です。

■もくじ

【1】2020年2月度、多くよせられた相談とは…?
【2】緊急事態宣言? ~特措法で生活は変わるの?~
【3】不安で怖い ~新型コロナウイルスによって今後増えるだろう相談について~
【4】何が嘘で何が本当? ~新型コロナウイルスの情報について~
≪監修弁護士の紹介≫
【5】まとめ


【1】2020年2月度、多くよせられた相談とは…?

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2月にLINE弁護士相談に多く寄せられた相談は、以下の結果になりました。

1位 離婚・男女問題
2位 労働問題
3位 不動産トラブル

1位の離婚・男女問題は1月に引き続き1位になりました。実際寄せられた相談半分近くが離婚・男女問題の悩みとなっています。「好き」や「愛している」という感情と、「嫌い」や「憎しみ」という感情は、一見正反対のように言えますが、コインの裏表のように、本当は密接に関わっているものなのかもしれませんね。
続いて2位の労働問題の相談を男女別で集計してみると、女性からの相談件数の方が多い結果となりました。2019年4月より働き方改革関連法が施行され、従来の働き方の見直しが認知されてきており、またセクハラ・パワハラといったハラスメントの撲滅を目指す取り組みも増えてきたと思います。しかしながら、今回の結果を考えると、「男女の格差」「正規雇用・非正規雇用」の問題はまだまだ根が深そうです。
3位の不動産トラブルは、前月に比べて大きく数字を伸ばしてランクインしました。2月、3月といえば、転勤や進学で引っ越しが多くなる時期なので、トラブルが増えたのではないでしょうか。

2020年2月の相談には、新型コロナウイルスについての相談も見受けられました。現在、新型コロナウイルスの対応については、政府が必死に探っている状態です。しかし、「特措法」や「緊急事態宣言」などと言われても、実際どのように生活にかかわってくるのか、ピンとこない方もいらっしゃるでしょう。実際にニュースをチェックしてみても、「新型コロナウイルスの感染者数」については多く報道されていますが、その他の情報はややおざなりになっている印象があるかもしれません。では、「特措法」や「緊急事態宣言」についてもう少し掘り下げてみましょう。


【2】緊急事態宣言? ~特措法で生活は変わるの?~

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2020年3月10日、3月13日と立て続けに「特措法」の改正がニュースで取りざたされました。ひとまとめに「特措法」と呼んでいますが、今回2つの「特措法」が改正されたのです。2020年3月10日に閣議で決定され、2020年3月15日に施行されたのは「国民生活安定緊急措置法」という法律で「衛生マスクについて」の改正です。
そもそも「国民生活安定緊急措置法」は、物価の高騰を抑え、私たちの生活に必要な生活物資を安定的に供給するために定められた法律です。今回は全国的にマスクが品薄となり、オークションサイトで高額な金額で取引されていたり、販売業者も値段を通常よりも釣り上げたりしていました。そこで「転売防止」やマスクの価格の高騰を防ぐことを目的に法律が改正されました。今後、衛生マスクを購入価格より高額な価格設定をおこない転売した場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、もしくはその両方が科されます。

次に、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」という法律の改正が2020年3月13日に国会で承認され、2020年3月14日に施行されました。この法律によって、総理大臣から「緊急事態宣言」を宣言することが可能になりました。「緊急事態宣言」が発令されると、総理大臣や、各都道府県の知事が状況に沿った対策を考え、実際に実行することが出来ます。
つまり、現在の内閣や各都道府県知事の持つ権限が非常に強くなるのです。具体例を挙げると、会社や学校を休みにすることや、ライブやスポーツ観戦などの大きなイベントを法的に制限することが出来るようになったり、場合によっては外出禁止令を出したりすることも可能になります。感染症の拡散を防ぐ目的のために、「外出禁止」のような、通常人権で守られている私権にも制限がかかる恐れがあるのです。また、「緊急事態宣言」のために会社が休業となった場合、休業が会社の責任でおこなわれたわけではないので、休んでいた分の給料が支払われないケースが考えられます。

さらに今後は、子どもの保育園や幼稚園、学校など、休校措置が長引くことによって託児先が見つからず、なかなか働くことができないといった状況の家庭も出てくるのではないでしょうか。現在、政府は各都道府県などの地方自治体と連携して、補助金や支援制度などを打ち出しています。休業を決めた企業への補助金や、幼い子供を預けられるよう児童施設の解放を推奨したり、非正規雇用を対象にした借り入れ制度などが整備されつつあります。しかし、すべての人に適用される制度は、現段階ではありません。そのため、自分が適用対象になる制度を調べておいてはいかがでしょうか。


【3】不安で怖い ~新型コロナウイルスによって今後増えるだろう相談について~

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前章では2つの「特措法」の違いについて確認してきました。ここでは、新型コロナウイルスに関連して、増えていくと予想される相談について考えていきたいと思います。

まず挙げられる問題点としては、【2】で取り上げた国民生活安定緊急措置法に基づく政令で制定された「衛生マスク」についてです。「国民生活安定緊急措置法」に基づく政令の改正によって、衛生マスクの譲渡価格自体は制限され、罰則も科されることになりましたが、送料についてはグレーゾーンと言えるでしょう。ただ、明らかに商品価格の上乗せの代替といえるような送料の設定は、上記政令違反とされる可能性が高いのではないでしょうか。また、マスクの写真を載せておきながら、実際は別の商品が送られてくるといった可能性もあります。このようなトラブルに遭わないためにも、画像と商品名が合っているかどうかや、送料を確認して悪質な業者に騙されないようにしておくことが大切でしょう。

他の問題としては、例えば旅行を計画していた方で、飛行機代や宿泊代といったキャンセル料の支払いが発生してしまうトラブルが考えられます。また、アルバイトやパートをしている方で、新型コロナウイルスの影響でシフトを減らされ、収入が減り、生活が厳しくなるというトラブルが発生する可能性もあるのです。収入が少なくなることに関しては、政府やお住まいの地方自治体で制度が整備されている可能性があるので、一度役所に問い合わせてみるのも手段のうちでしょう。しかしキャンセル料については、政府の見解が発表されていないので、個々の企業や宿泊施設の判断にゆだねられている状態です。

消費者目線としては、不測の事態なのでキャンセル料について融通を利かせてほしいところですが、宿泊施設や航空会社も新型コロナウイルスの影響で、かなりの損害をこうむっているので難しい問題ではあると思います。


【4】何が嘘で何が本当? ~新型コロナウイルスの情報について~

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およそ9年前の2011年3月11日には「東日本大震災」という未曽有の自然災害に見舞われました。その際、「○○は放射能に有効な食べ物である」や「放射能はひとからひとへ感染する」といった根も葉もない風評被害が発生しました。

今回の新型コロナウイルスの感染拡大に伴いホテルや旅館といった宿泊施設でキャンセルが続出しており、非常に厳しい立場に立たれています。もちろん、新型コロナウイルスに不安を覚える方もいるのでしょうが、マスコミ等による過剰報道も要因のひとつだと考えられます。確かに、特効薬のない新型のウイルスに恐怖を覚えるというのは当然のことかもしれません。新型コロナウイルスに関して、フェイクニュースやデマが流れて生活必需品が手に入れられなくなったり、集団感染の起こった地域に風評被害が発生したりする可能性もあります。実際に今回も在庫が合ったのにもかかわらず各地でトイレットペーパーの買い占めが起きたことは、未だ記憶に新しいことですよね。
今後は、新型コロナウイルスに不安を覚える方に付け込んだ悪質な詐欺や、デマなどが拡散されることが予想されます。そのため、不審な点がある場合には消費者センターや警察に相談することも手段のうちです。情報を確認するのであれば、官邸や内閣府、厚生労働省、経済産業省といった各省庁のホームページ、お住いの地域の役所のページといった公のものを閲覧した方が良いでしょう。

さらにTwitterなどのSNSで回ってきた情報は、発信元が政府や地方自治体からの発表であるのかを確認の上、リツイートすることをおすすめします。たとえ悪気が無くとも誤った情報をうのみにして流してしまうと、風評被害に加担してしまう可能性があるのです。 特定の個人や、企業への風評被害は損害賠償を請求される恐れがありますので情報の取り扱いには十分にご注意ください。「緊急事態宣言」や「特措法」と聞くと、不穏なイメージを覚え、恐怖を感じる方もいらっしゃるでしょうが、正しく情報を掴んでおけば恐怖が和らぐこともありますので、状況に応じた行動をしていくことが望ましいでしょう。

【監修】弁護士法人えそら 馬場 龍行弁護士


馬場 龍行先生
弁護士法人えそら
第一東京弁護士会
この記事は、馬場 龍行弁護士が法律監修を担当しました。

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▼弁護士法人えそら
https://esola-law.or.jp/


【5】まとめ

何か少しでも不安なことがあったり、わからないことが発生したら、飛び交う情報に惑わされずに一度、弁護士に無料で相談してみるはいかがでしょうか?弁護士の冷静な判断はきっと助けになるでしょう。