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2020年4月7日、新型コロナウイルスの感染者増加にともない「緊急事態宣言」が7都府県に発令。17日には、対象を全都道府県へと拡大されました。この宣言によって、多くの人々や多くの企業に影響が及んでいます。今回は、新型コロナウイルスによって引き起こされるであろう問題と対処法についてお話していきたいと思います。
※ こちらの記事は、2020年4月21日執筆時点での情報を元に作成しております。新型コロナウイルスの情報が公開時と異なる場合がございますので、ご了承ください。


■もくじ

【1】自粛モードで売り上げが伸びない ~個人事業主の悲痛~
【2】広がるデマに多発する詐欺 ~甘い言葉には要注意~
【3】キャンセル代にトラブル続出? ~旅行×イベント×中止
【4】感染しても関係ない? ~加害者になり得る行動について~
≪監修弁護士の紹介≫
【5】まとめ


【1】自粛モードで売り上げが伸びない ~個人事業主の悲痛~

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東京都や大阪府等の7都府県を皮切りに、全国へと波及した「緊急事態宣言」の発令。不要不急の外出自粛要請により、飲食業をはじめとする娯楽施設などの売り上げは、例年より大きく落ち込んでいる状態です。特に個人で経営されている個人事業主の方は、ある程度の売り上げが立たないと、事業の運営どころか生活すらも立ち行かなくなるという危険性があります。加えて現在主要都市を中心に、映画館やバー、雀荘、漫画喫茶など、さまざまな施設の休業要請が実施されています。

今後は他の地域にも波及し、個人店はますます窮地に立たされてしまいます。大変厳しい状況にありますが、何か手立てはないのでしょうか。


弁護士見解

政府が発表している支援制度には、個人事業主やフリーランスの方に向けたものがいくつか存在します。1つ目は、「小学校休業等対応助成金・支援金」です。こちらは小学校まで、もしくは特別支援学校(学級)に通っている子供のいる親が対象となる制度で、日額上限4,100円が保障されるものとなっています。(※1)

また、日本政策金融公庫は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが減少した方向けに、3年間は実質無利子貸し付け(※2)の特別措置も用意されました。加えて、収入が前年度同月比で半減したフリーランスを含む個人事業主最大100万円を現金給付する、「持続化給付金」(※3)の支援制度の開始が予定されています。

とはいえ、企業に比べると支援策が充実しているとは言えません。今後は中小企業の支援はもちろんのこと、個人事業主への支援の拡充が課題になるでしょう。

※1 「小学校休業等対応助成金・支援金」についての詳細は、「厚生労働省ホームページ」の情報をご確認ください。
※2 貸付金額等についての詳細は、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」についての概要をご確認ください。
※3 詳細は、「持続化給付金に関するお知らせ」よりご確認ください。


【2】広がるデマに多発する詐欺 ~甘い言葉には要注意~

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「トイレットペーパーの買い占めがおこなわれている」「26~27℃のお湯を飲むと予防ができる」「PCR検査を受けて陰性の場合には、8万円が自己負担となり、陽性ならば国の負担」

紹介した3つの事柄はすべてデマです。しかし、新型コロナウイルスの特効薬がないためか、不安になった人たちがデマを信じて行動に移してしまっている事例も…。実際に商品の買い占めの発生や、間違った情報があたかも真実のように語られることが散見されます。「不安」とはやっかいな感情で、心のバランスが崩れている状態なので、判断力がにぶってしまうことがあるのです。そんなとき、被害に遭いやすいのが「詐欺被害」です。

詐欺をおこなう人は、あの手この手を使ってこちらの感情の弱い部分をついて騙してきます。「この商品があれば新型コロナウイルスを100%防げる」と言って、実際には効果のない商品を売りつける詐欺も横行し始めています。また、新型コロナウイルスの影響により、為替相場や株価が不安定になっている背景を利用した仮想通貨詐欺が多発する可能性もあります。このような詐欺被害に遭わないためには、どんな対処が必要なのでしょうか。


弁護士見解

詐欺には大きく分けて2つの意味と責任があります。1つは犯罪としての詐欺です。刑法でも定められている通り、人を騙してその人の金銭や物品を譲渡させたり、財産上の不法行為をしたりすることを指します。なお詐欺罪で逮捕された場合は、10年以下の懲役が科され、未遂の場合でも罰せられることになります。もう1つの意味は、民事上の詐欺のことです。民事上の詐欺は、騙す意志を持ち、その嘘によって人の財産などに損害を与えることを指します。今回、例に上がった商品詐欺や投資詐欺は、証拠など状況にもよりますが、どちらにも当てはまる可能性があります。

詐欺を回避する方法としては、「100%○○を防ぐ」というセールストークに惑わされないことです。なお、その文言が商品のパッケージや広告に入っていた場合には、不当景品類及び不当表示防止法に抵触していることも考えられます。また、投資詐欺を防ぐ方法としては、「必ずもうかる」や「元本を保証します」という言葉をうのみにしないことです。投資には大きな利益が出る可能性がある一方で、損する可能性が付いて回ることを考えておくことが大切でしょう。


【3】キャンセル代にトラブル続出? ~旅行×イベント×中止

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新型コロナウイルスの感染防止のため、イベントの自粛が要請され、全国各地で中止が発表されています。また、「不要不急の外出自粛」の要請を受け、予定していた旅行をキャンセルする方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

現在トラブルになりつつあるのが、新型コロナウイルスの影響によってイベントや旅行が中止になり、ホテルや飛行機代などのキャンセルが発生した場合の返金対応についてです。ライブやコンサートなどのイベントについては、軒並み返金対応がなされています。しかし、ホテル代や旅行ツアー代金、飛行機代などは各社対応が分かれ、中には「キャンセル不可」で返金されないこともあります。返金してくれるケースとされないケースでは一体何が違うのでしょうか。


弁護士見解

旅行ツアーや飛行機、ホテル代のキャンセルに際する返金対応については、予約した施設や航空会社、ツアー会社によって異なります。現在、多くの方がWebサイトを利用して、宿泊施設などの予約をおこなっているかと思います。予約をする前には、各企業・各施設で定められている約款(※)を確認することができます。予約するという行為は、「金銭を支払う対価としてサービスを受ける」という契約のことで、約款に書かれている事柄を了承したことが前提条件で予約が成立します。

したがって、キャンセル料・返金対応については、約款に記載された事項に準拠されます。そのため、予約者の自己都合と判断された場合には、高額なキャンセル料や返金がなされなくても、法律違反とは一概には言えないのです。とはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大は不測の事態です。予定した旅行の飛行機が飛ばないといった、自己都合ではないケースや特別対応している企業もあるので、今後正しい情報収集が大切になってくるでしょう。
※契約条項のことをさします。


【4】感染しても関係ない? ~加害者になり得る行動について~

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2020年の3月末から、新型コロナウイルスの拡大を避けるために、不要不急の外出が自粛されてきました。また、緊急事態宣言が発令されたため、さらに外出がはばかられることとなりました。とはいえ、新年度の始まりである4月。後には社会人にとって大きな楽しみのひとつであるゴールデンウィークも控えています。「実家に帰省してゆっくり過ごす」「アウトレットモールまで足をのばしてショッピングをする」「久しぶりに友達と食事会をする」など、楽しみにしていた方もいらっしゃるでしょう。

自粛要請を守らずに外出をして、新型コロナウイルスに感染。軽度の症状だったため、感染を隠して日常生活を送った場合、何か問題になるのでしょうか。


弁護士見解

今回、首相から発令された緊急事態宣言により、首相および各自治体の首長は「新型インフルエンザ等特別措置法」(※)に記載された事項に沿った要請をすることができることとなりました。例を挙げると、「外出自粛」や「イベントの中止」などです。しかし、現状要請を守らずに新型コロナウイルスに感染しても、懲役刑や罰金刑などの罰則はありません。

ただし、新型コロナウイルスにかかっていると知っていて外出したり、飲み会に参加して接触した人を新型コロナウイルスに感染させた場合には、「傷害罪」が適用される可能性があります。加えて感染させた人が亡くなった場合には、傷害致死罪になるケースもあります。また、刑事罰にいたらなくとも、故意過失により感染させた際には、感染された人や、利用した店などから損害賠償を請求される恐れもあります。

現状、新型コロナウイルスが陽性だったときには、入院したり、軽度であってもホテルで2週間程度隔離されたりという措置が取られています。とはいえ、比較的な軽度の症状である場合、状況によっては自宅待機の措置が取られることもあります。万が一新型コロナウイルスに感染した場合には、医師や国の意向に沿って行動した方が良いでしょう。

【監修】優和綜合法律事務所 内藤 政信弁護士


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優和綜合法律事務所
第一東京弁護士会
この記事は、内藤 政信弁護士が法律監修を担当しました。

■30年以上の豊富な経験を有する弁護士が開業した法律事務所です。
■豊富な経験に基づく適切な事件解決及び親身な対応で、ご好評を頂いております。
■初回相談料は無料です。お気軽にご相談ください。

目に見える形で、直接困っている人の役に立てる職業であるというところに魅力を感じ、弁護士になりました。趣味はアコーディオンです。希望があれば相談時にも弾きますので、興味がある方はお申し出ください。

▼相談サポートサイト
https://www.soudan-form.com/houritsu-support.net/tokyo/903189/


【5】まとめ

新型コロナウイルスの影響によって引き起こされるトラブルには、正しい情報をしっかりと見きわめて、一人ひとりが冷静に行動することが大切です。また、個人事業主やフリーランスの方を対象とする支援制度についても政府から発表されていますので、こちらもぜひご活用ください。

どんな悩みも自分一人で抱え込まずに、まずは気軽に弁護士へ相談してみてください。