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緊急事態宣言の解除により、制限付きではありますが多くの店が営業を再開し、街ににぎわいが戻ってきました。しかし、ほっと一息つく間もなく、「第二波」や「アラート」が発令されている地域もあります。自粛が終わっても、以前のライフスタイルへとすぐに戻すことは難しく、今後しばらくは新型コロナウイルスと共生していく道を考えていかねばなりません。

今回は、新型コロナウイルスと共生する生活を送るうえでのトラブルや、その対処法について考えていきたいと思います。
※ こちらの記事は、2020年6月5日時点での情報を元に作成しております。新型コロナウイルスの情報が公開時と異なる場合がございますので、ご了承ください。
■もくじ

【1】リモートワークでトラブル続出? ~今後の仕事の在り方とは~
【2】Web会議システムの落とし穴! ~取り扱いにはご注意を~
【3】あなたの声にはトゲがある ~結婚式キャンセルから始まった不協和音~
【4】ワーク×マザー ~子どもと一緒に歩いていく~
≪監修弁護士の紹介≫
【5】最後に


【1】リモートワークでトラブル続出? ~今後の仕事の在り方とは~

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相談者:みのる(32才)男性 職業:会社員 年収:400万円

相談内容

4月の緊急事態宣言の影響により、リモートによる勤務が増えました。とはいえ、会社では社員へ配布するパソコンの数が不足しており、止む無く自分のパソコンを利用して仕事をしています。

自宅用のパソコンは数年前に購入したもので、正直ExcelやWordが利用できれば良いと思っていたため、ウイルスソフトなどのセキュリティ対策を講じていませんでした。そのせいなのか、パソコンがウイルスに感染してしまい、突然動かなくなってしまいました。

パソコンが壊れただけなら「仕方ない」と割り切れますが、現在パソコンの中には、社外秘の顧客データなどが入っています。もしもこのデータが、外部に漏れていた場合、僕は会社から損害賠償請求などをされる可能性はあるのでしょうか。不安で仕方ないので、ぜひご教示いただければ幸いです。


弁護士の見解

会社の企業秘密などのデータが、ウイルス等の不正アクセスによって漏洩した場合、情報漏洩させた従業員とともに、会社も情報漏洩された顧客に対して損害賠償の責任を負うこととなります。今回のケースでは、みのるさんと会社は、顧客から情報漏洩の損害賠償請求をされる可能性があります。

ただし、本来会社が貸し出しすべき仕事用のパソコンを配布できず、止む無くセキュリティ対策の劣る自宅用のパソコンを利用することとなっています。したがって、みのるさんと会社の関係では、会社の方の責任のほうが多いと考えられ、会社が顧客に損害賠償をした場合に、会社側からみのるさんに対して賠償の分担(求償)を求められる可能性は低いと思います。

しかし、ウイルスに感染したことを隠して、情報漏洩などの発覚を遅らせるなど損害を拡大させてしまった場合には、その点に関して責任を認めて会社から賠償の分担を求められる可能性があります。情報セキュリティ系でトラブルが発生したときには、すぐに会社へ伝えた方が良いでしょう。


【2】Web会議システムの落とし穴! ~取り扱いにはご注意を~

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相談者:せいじ(37才)男性 職業:会社員 年収:500万円

相談内容

新型コロナウイルスの影響でリモートワークとなり、Zoom等のWeb会議システムを利用しての打ち合わせが多くなりました。現在私には、女性社員と2人で取り組んでいるプロジェクトがあり、週に2~3回ほど彼女と打ち合わせを行っております。

以前より彼女がとても魅力的な女性であることを周囲に自慢していた私は、実際の彼女の姿を社外の友人に見せたくなり、リモート打ち合わせ時のURLを数人に漏らしてしまいました。友人が見ていると思うと何となく気持ちが舞い上がり、打ち合わせ中に「かわいい」といった発言や書き込みをおこなってしまいました。

私は打ち合わせ中に弁明したのですが、彼女は私の行動に相当ショックを受けたようで、上司に報告するというのです。大ごとにならないか少し心配です。確かに不適切な行動をしましたが、そこまで目くじらを立てることなのでしょうか。それとも、彼女が過敏すぎるのでしょうか。


弁護士の見解

新型コロナウイルスによって、リモート勤務の需要が高まった結果、Web会議システムが頻繁に利用されるようになりました。これに伴い、新しいハラスメントの態様として“リモートハラスメント”という言葉が生み出されました。リモートハラスメントにあたる主な行為は「自宅にある物に関して指摘する」「Web会議システム上で不快な言動を書き込む」などです。

今回のせいじさんのケースでは、受け取り手である女性が、部屋や服装などを褒められることに不快感を覚えているので、リモートハラスメントにあたる可能性があります。リモートワークによってWeb会議の需要が増え、プライベートな空間である相手の自室や服装などを垣間見る機会が多くなっていると思います。悪気のない一言でも、不快だと思う発言は人によって異なりますので、不用意な発言は避けた方が賢明といえるでしょう。

また、Web会議システムのURLを無断で関係のない人に報告した場合、情報漏洩として会社から損害賠償請求されることがあるかもしれません。


【3】あなたの声にはトゲがある ~結婚式キャンセルから始まった不協和音~

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相談者:まり(28才)女性 職業:派遣社員 年収220万円
夫:あすと(28才)職業:会社員 年収:430万円

相談内容

夫のあすととは、2019年11月22日に籍を入れて結婚しました。結婚式は今年4月を予定しておりましたが、新型コロナウイルスの影響により、なくなく取り止めになりました。結婚式は幼いころからの夢だったので、中止になったことはとても残念でした。高額でしたが、仕方なく式場のキャンセル料も支払いました。

私としては、新型コロナウイルスの流行が収まったころに新婚旅行ができればと考えていたのですが、夫は違ったようです。もうすでにキャンセルしてしまったことに対して、いつまでも文句を言い続ける夫を私がいさめると「お前は会社の立場とか考えなくていいから楽だよなぁ」と言ってきます。それ以外でも「式を挙げればよかったのに」や、「キャンセル料はお前が俺に返済しろ」と言ってきます。結婚式が挙げられなかったのは残念ですが、正直夫の許容の低さにあきれて愛想が尽きてしまいそうです。こんなことでと思われるかもしれませんが、離婚することは可能でしょうか。


弁護士の見解

特に明確な離婚原因がなくとも、夫婦間で離婚について話し合い、お互いの合意が成立すれば離婚ができます。しかしながら、離婚についての合意が成立しない場合には、法定の離婚事由が必要となります。今回のまりさんのケースでは、お話を聞いた限り、あすとさんに法律で定められた離婚事由はないと考えられます。現状では、相手が合意をしない場合、裁判での離婚は難しいです。

まりさんとあすとさんは、婚姻関係になってまだ日が経っておりません。また、現在新型コロナウイルスの影響で自粛生活を送らなければいけないので、互いにストレスが溜まっている状態にあり、感情的になっていることも考えられるでしょう。一度冷静になるためにも、自宅の部屋に余裕がある場合には、家庭内別居など、相手と顔を合わせない時間を作ってみるのはいかがでしょうか。ご実家等が近くにある場合には、話合いの上、別居してみても良いかもしれません。その上で、離婚するかどうかを決めてみてはいかがでしょうか。


【4】ワーク×マザー ~子どもと一緒に歩いていく~

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相談者:さりな(35才)女性 職業:派遣社員 年収:200万円
娘:みらい(4才)保育園

相談内容

私は31才のときに離婚し、以来4年間シングルマザーとして娘のみらいを育ててきました。近所に住んでいる両親をはじめ、家族や友人に支えられ、なんとか生活をしてきました。

しかし、新型コロナウイルスの影響から、娘が通っている保育園が閉まってしまい、仕事を休まざる得なくなりました。派遣元に事情を話すと、幸いなことに有給扱いにしてくれました。しかし、実際会社が保障してくれる金額では、給料は下がってしまいます。休業中も給料をもらえていますし、派遣元、派遣先の会社の方たちには良くしてもらっているので不満はありません。しかし、元々の生活がギリギリでしたので、このまま給料が減った状態が続くと、将来の生活が不安です。

お恥ずかしながら、最近まで養育費の支払いは親の義務だと知りませんでした。現在は、元夫に事情を説明し、養育費を支払ってくれるよう説得しています。また一律で支給される10万円の給付金については、私と娘の分を申請しました。他に何かできることがあればご教授いただけると幸いです。何卒よろしくお願いします。


弁護士の見解

現在、養育費の支払いについて元パートナーの方と交渉しているということですが、具体的な金額の目安はご存じでしょうか。養育費には特別な決まりはなく、上限や下限などが定められていません。したがって、いくらが妥当な金額なのか分からない方もいらっしゃるでしょう。そんな時は、裁判所で発表している『養育費算定表』を参考にして金額を決めると良いと思います。また、養育費の支払いが滞るケースが多くありますので、あらかじめ元パートナーと養育費の支払いに関しての合意書を作成しておくと良いでしょう。

月々の支払金額や、子供が何歳になるまで支払うのか、月々の支払い日などを決めてください。養育費についての合意書は、不払いの場合に強制執行ができるよう公正証書にしておくことをおすすめします。スムーズな強制執行のため、勤務先や現在住んでいる場所等の情報も聞いておくと良いでしょう。ただし、公正証書を作成するにはお金がかかり、元パートナーと公証役場におもむく必要がありますので、よく話し合うことが大切です。


【監修】アリス法律事務所 田畑 麗菜弁護士


田畑 麗菜弁護士
アリス法律事務所
埼玉弁護士会所属
この記事は、田畑 麗菜弁護士が法律監修を担当しました。

もしも困っていることがありましたら、こんな小さなことで相談していいのかな、なんて思わずにまずはお気軽に話をしましょう。相談後、少しでも気持ちが軽くなったと言ってもらえるように、一人ひとりに寄り添い、親身になってサポートさせていただきます。今が辛いと感じている方が、新たな一歩を踏み出すお手伝いが出来たらと思っております。

▼相談サポートサイト
https://www.soudan-form.com/detail/saitama/907399/


【5】最後に

新型コロナウイルスによる問題は、ご紹介してきた仕事・結婚・子育てというような相談だけにとどまらず、さまざまな場面に影響を及ぼしています。緊急事態宣言が解かれた今、“ウィズコロナ”や“アフターコロナ”といったこれからの日常にも目を向けなければなりません。